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宮口貴志の税界雑感

元『税金専門紙』『税理士業界紙』編集長

Profile

税金の専門紙「納税通信」、税理士業界紙「税理士新聞」の元編集長。
フリーライター及び会計事務所業界ウオッチャーとして活動。株式会社レックスアドバイザーズ ディレクター。

平成25年度税制改正はどうなる?!国税庁意見を素通り採用の真相

 12月16日は総選挙。新たな政権が誕生しないと平成25年度税制改正大綱もまとまりません。この流れでは、税制改正は年明けになることが濃厚で、越年すれば細川護煕内閣以来19年ぶりとなります。

 19年ぶりに越年の可能性

  では、いつごろ法案成立かとなりますと、来年1~2月に閣議決定、3月国会提出、参院本会議可決・成立し、関係省令とともに4月1日施行というスケジュールで動くことになると予想されます。 こうした状況では、これまでの経験から、急ごしらえが否めない税制改正となるため、大玉となる法案は見送られ、「サクッ」と決められる地味な実務的な法案から優先的に可決することになるでしょう。

 そこで、会計事務所として注目したいのが、民主党政権下での政府税制調査会で出てきた「要望にない項目」です。基本的に税制改正の項目は、各省庁から上がってきた内容をベースに議論されますが、法案の詰めは、各省庁の副大臣、政務官と政府税調の事務方(財務副大臣、政務官等)で行われます。もちろん、財務省からも要望が上がってきます。では、「要望にない項目」とは一体、どこが提出したものなのかー。「要望してないのに取り上げること自体、なんとも腑に落ちない」という声も聞こえてきます。

私がかつてこの件について、政府税調で質問したところ、当時の峰崎直樹財務副大臣は、「各省庁から上がってきたもの以外に、『これは必要だ』というものをわれわれ(政府税調の事務方)がピックアップした」と言っていました。民主党政権下の政府税調の事務方は、表向き政治家ですが、かなり財務省及び総務省幹部が裏で舵取りをしていた感じです。つまり、「要望にない項目」は、財務省から上がってきたものなのです。内容を見ていただければ一目瞭然。こんな実務的なこと、政治家が気付くはずありません。

 興味深い資料があります。実は非公式で財務省へ提出されている国税庁の税制改正に関する意見です。その中には、税制改正の「要望にない項目」と同じ内容の記述が随所に見受けられます。つまり、推測されるに国税庁の意見が絞り込まれ、「要望になり項目」として政府税制調査会に上がっているのでしょう。

平成24年度改正でのインパクトは大きい

ちなみに、平成24年度税制改正では、

①使途秘匿金の支出がある場合の課税の特例の適用期限の延長(法人税)

②中小企業者等以外の法人の欠損金の繰戻しによる還付の不適用制度の適用期限の延長(法人税)

③相続税・贈与税の延納手続等の準備期間等の見直し(相続税)

④自動車重量税印紙の交換制度の創設(自動車重量税)

⑤給与所得者の扶養控除等申告書等の源泉徴収義務者保護規定の法令化(所得税)

⑥給与・退職手当等に係る源泉所得税の納期限の特例の見直し(所得税)

⑦相続税の連帯納付義務の見直し(相続税)

⑧外国親会社等から付与された株式等を取得する権利の行使等に関する調書制度の創設(所得税)

⑨徴収共助・送達共助に係る国内法の整備

⑩国外財産に係る情報の把握への対応

⑪関連企業間の利子を利用した租税回避への対応

⑫入国者が輸入するウイスキー等に係る酒税の税率の特例の適用期限の延長(酒税)

⑬入国者が輸入する紙たばこのたばこ税の税率の特例の適用期限の延長(たばこ税)

 以上が「要望にない項目」から大綱に盛り込まれており、盛り込まれなかったのは、わずか「社会保険診療報酬の所得計算の特例(所得税、法人税)」しかありません。理由は、「平成25年度以降の税制改正として検討する項目として『大綱に検討事項として記載する』と明記されています。 

 ⑥~⑪については、かなりインパクトがあったと思います。こんなピリリと辛い内容は、素人では浮かばない内容です。玄人仕事です。

  さて、平成25年度改正では、どんな内容が盛り込まれているのでしょうか。

たとえば、「国外に居住する相続人等に対する相続税・贈与税の課税の適正化」では、子や孫等に外国籍を取得させることにより、国外財産への課税逃れをする事例が生じていることから、相続税・贈与税の納税義務の範囲を検討する旨が記載。さらに、「財産債務明細書の記載事項の整備」も入っており、見直し案として「24年度改正で創設された国外財産調査制度との平広をとる観点等から『財産債務明細書』に記載すべき公社債等の価額をその年12月31日における時価(時価の算定が困難な場合には、取得額)とする」とあります。

 自民税調時代と違って、税制改正においてはこの「要望にない項目」は、実務的にはかなりの曲者なのです。


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