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宮口貴志の税界雑感

元『税金専門紙』『税理士業界紙』編集長

Profile

税金の専門紙「納税通信」、税理士業界紙「税理士新聞」の元編集長。
フリーライター及び会計事務所業界ウオッチャーとして活動。株式会社レックスアドバイザーズ ディレクター。

取材ルポ 風俗店の税務調査 “体”当たりでつかむ不正のしっぽ

書店で、税務調査本をよく見かけるようになりました。この手の本は、20年ぐらい前はほとんど見かけませんでしたので、出版すれば安定的に売れるのでしょう。ただ、その内容は専門家向けと素人向けに色分けでき、素人向けもかなり固い内容という印象です。 

主に男性になりますが、税業界にいない人と税務調査の話をして一番興味を持たれるのが、水商売系の税務調査の話です。調査官の中でもかなり厄介な案件とされているだけに、不謹慎かもしれませんがやはり面白いです。

税務調査本の中でもあまり紹介されていないので、今回は取材で聞き出した水商売、なかでも風俗店調査の話を書かせていただきます。

■潜入調査は金曜日に仕掛ける

 風俗の代表各といえばソープランド。歴史もあり全国的にも有名なのが、東京の吉原、岐阜の金津園、滋賀・大津市の雄琴です。ソープランド調査で最も重視されるポイントが「内観調査」です。内観調査とは、調査するお店の状況を内外から徹底的に確認する作業。たとえば、客として潜入し、店舗内の様子、料金体系、ソープ嬢からそれとなく話を聞き出します。

 税務調査官の話では、内観調査では早朝からどれくらいのお客が来店しているのかを調べると言います。そのため、張り込みも当たり前で、国税出身の税理士によると、「調査は、他の現金取引業種と同じく金融機関が休日の翌日、つまり月曜日に実施されることが多い」と言います。これは、お金の流れを追うためで、テクニックとしては金曜日の夜、客として潜入し、支払った代金の1万円札の番号を控えておく。朝一に調査着手し、そのお金が何処に行っているのか、行方を追うのです。

この客を装う潜入調査では、担当となった女性からどれだけ有力な情報を聞き出すかが調査をスムーズに進めるポイントになります。

ただ、調査で聞くポイントを色々考えていると、“用をなさず”に女性から嫌われることもあると言います。そうなると、聞き取りに影響することもあり、まさに体当たりの調査というわけです。

 取材で聞き集めた情報を総合すると、潜入調査を担当するのは、基本的に独身の若手調査官が多いようです。この辺は、既婚者のことを考えた配慮なのでしょう。

 さて、キャバレーをはじめ、キャバクラやクラブなど、夜のネオン街を彩る水商売系の調査もソープランド同様、内外観調査が重要なポイントになってきます。最終的には、オーナーママや店主、雇われママ、マネージャークラスと面接し、日々の売上、ホステス、酒類等の管理状況を把握することになるのです、なんといってもそれまでの事前の資料収集が日非常に重要になってきます。調査官の間では「いきた情報」として不可欠なものと言われ、その手法・ノウハウは先輩から後輩へと引き継がれています。

 そうはいっても、こうした業種の内外観調査は難しく、場数を踏まなければ、有益情報を的確に得ることは難しいようです。要は「遊興しながらも、不自然にならないよう可能な範囲でさまざまなことをチェックすることが至難の業」と言います。

 ■雰囲気を壊さずに何気ない会話から聞き出す

 内外観調査でチェックするのは「人」「金」の動きです。現況調査に向かう時間帯は、当然、営業時間中になりますが、調査官も公務員、あまりに遅い時間は自重しています。ならば、なるべく早い時間から行きたいところですが、早く行っても目立つため、お客が比較的集まりはじめた時間を見計らい現場に向かうのが一般的のようです。

 内外観調査では、混雑時の時間帯や椅子、テーブルの数、ホステスの人数、氏名、料金システム、フロントの状況、経営者の人柄や営業方針などをチェックします。これを接客されながら調べるので、場数を踏んでいない若手はかなり苦心するようです。強者になると、このひと時を十分楽しみながら実績を上げるようです。

 なかには、女の子に「ねぇ、同伴してぇ・・・」「今月ちょっときつくて。成績上げないと罰金がきついんだ・・・」と、同伴を迫られるケースもあると言います。このとき、返事に窮しては場が白けてしまいます。

それだけではありません。実は、この会話のなかにも、調査官として見逃しておけない言葉が入っています。それは「罰金がきついんだ」。もし、お店が罰金を取っていれば、罰金一覧票があり、帳簿に記載しておかなければなりません。

 このほか、税務調査官の多くが、大変な調査としてあげるのがラブホテルです。その理由は、1日24時間張り付くことが困難なためです。ラブホテルの場合、深夜から未明にかけて結構客の出入りがあると言いますが、その確認は公務員という制約や職業意識からしておのずとブレーキがかかると言います。そのため、まず裏の客数管理帳でも把握しない限り、短期間のうちに結論にまで持ち込める事案はほとんどない」と言います。

 また、ラブホテルの内観調査は、男同士で行くわけにいかないので、誰と行くか相手探しが大変なようです。こちらは既婚者が選ばれるケースが多いと言います。

毎年話題になる、「事業所得の申告漏れ所得金額が高額な上位10業種」では、平成21事務年度は風俗業で(前事務年度4位)が1件当たり2184万円で1位。風俗業は、過去5年を見ても、20事務年度は情報サービス産業に抜かれ2位になっているが、それ以外は1位とほぼこの位置は固定化されています。


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