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大学別:公認会計士資格の受験者・合格者数について解説!

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大学生で公認会計士資格に挑戦する人は多く、試験の受験者・合格者の過半数は在学中の大学生または卒業程ない20代です。

また、試験の合格者率が高い学校があります。

国家資格である公認会計士試験ですが、受験資格はありません。

しかし、公認会計士を卒業後の仕事・進路として考えるならば、有利な大学を選びたいでしょう。

 

集計数値に基づけば、概ね慶應義塾大学が最も合格者数を輩出。

次いで、早稲田大学の順位になっているようです。

 

こうした出身校は公認会計士試験にとってどのような影響があるのでしょうか?

詳しく解説します。

公認会計士試験大学別の受験者数は公表されている?

公認会計士・監査審査会では、短答式試験および論文式試験の受験者数と合格者数をそれぞれ公表しています。

どの大学の学生が何人受験したのかについては、公式では具体的に公表していません。

そのため、大学別の受験者の正確な数を知ることは困難です。


概況として令和5年公認会計士試験の合格発表の概要についてに基づいて、以下のデータは示されています。

 

  • 試験の合格者の平均年齢は24.5歳
  • 学生および専修学校 ・各種学校受講生が981人で合格者総数の63.5%

年齢別の傾向

この傾向をより細分化した令和5年公認会計士試験合格者調では、願書の提出者・合格者等の情報を5歳刻みで公表しており、次の結果となりました。

 

  出願者数 合格者数 合格者構成比
20歳未満  384人 36人 1.5%
20歳以上25歳未満 9,710人 977人 63.3%
25歳以上30歳未満 4,734人 356人 23.1%

 

この年齢分布の結果から分かる通り、合格者のほどんどが学生か、大学を卒業して数年以内の若い世代です。


こうした合格率の偏りからは、公認会計士試験では集中して勉強する時間があるほど合格に近くなるという傾向が見てとれるでしょう。

学歴別の傾向

令和元年公認会計士試験合格者調では、学歴別の合格者を確認することもできます。

比率は各区分の総数に占める割合です。

 

  出願者数 合格者数 合格者構成比
大学在学  6,740人 652人 42.2%
大学卒業 8,892人  670人 43.4%
大学院在学 138人 15人 1.0%
大学院修了 1,009人 39人  2.5%

 


大学卒業または在学中に公認会計士試験に合格した人の比率は、どちらも40%を超えています。

公認会計士試験は多様性を求めて、試験制度をより簡素化しています。

社会人に比べれば圧倒的に勉強時間を取りやすい学生が最も合格率を高い結果となりました。

 

これは、勉強時間の確保が重要であることの裏付けともいえるでしょう。

学部や学習するコースによっては、試験に関連する分野の講義を受けられる、専門書へのアクセスが容易などの環境の助けも得られるはずです。

 


また、大学院在学中の受験者が、願書を提出した総数に占める比率に対し、試験合格者の比率が高いという特徴が見られます。

大学院で一定の単位を取得した方には試験科目の一部免除が受けられます。

これが試験に有利に働いているものと推測できるでしょう。

 

論文式試験の受験者のうち合格者は実に50%以上です。

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公認会計士試験に強い大学はなぜ生まれる?

公認会計士・監査審査会では、大学別の合格者数を公表していません。

そのため、公式にその合格者数を知ることは困難です。

そこで、慶應義塾大学のOB・OGによる「公認会計士三田会」が公表している大学・年度別合格者数一覧表に基づいてみます。

三田会は、約5千人という多数の在籍者を有す団体です。

学部に関しては不明ですが、令和4年度の公認会計士試験の合格者別人数を見てみると、

 

  • 慶應義塾大学……187名
  • 早稲田大学……109名
  • 明治大学……86名
  • 東京大学……57名
  • 中央大学……54名
  • 立命館大学……54名
  • 神戸大学……50名
  • 京都大学……47名
  • 同支社大学……44名
  • 一橋大学……38名

 

となっていました。

あくまで三田会のデータですが、ここ十数年、慶應義塾大学が合格者数でトップを維持しています。

次に早稲田大学。さらに明治大学、東京大学と続きます。

 

公認会計士試験は、最短でも1年間から2年間は受験勉強に専念しなければなりません。

合格まで勉強をし続けるための環境は非常に大切です。

 

同大学出身者の公認会計士が集まりやすい仕組み

公認会計士を多く輩出する大学によっては、OB・OG会があることがあります。

 

 

大手の専門学校では、同じ講座を受ける勉強仲間を作ることが推奨されています。

講師の授業や対策講座を受けるだけでなく、お互いに質問したり、知識を深め合ったり、励ましあうことが重要です。

学びだけではない充実した日々となり、モチベーションもアップできるでしょう。

 

同様に、公認会計士を目指している人が多い大学を選ぶと、困った時に相談できる仲間が作りやすくなります。

また、現役の公認会計士、フィールドでの地位を築いた公認会計士の大先輩と話せる機会を持つことができるので、受験生にとって大きな励みになるでしょう。

就職情報や監査法人における採用の様子といった、将来を見据えた相談も可能です。

おすすめの講座や試験関係で役に立つ資料など、アドバイスがもらえる、指導を受けられるのも魅力でしょう。

 

もちろん、自らそういった交流に参加し、積極的に学べる機会を活かすことが前提です。

ここでは慶應と早稲田を一例として紹介します。

慶應義塾大学:公認会計士三田会

慶應義塾大学は、なぜ大学別で1位となる合格者数を常に輩出し続けることができるのでしょうか。

「公認会計士三田会」によると、

  • OB・OGとのコミュニケーションの高さ
  • 毎年の合格者数(および受験者)が多いことで横の連帯感が強くなる
  • 受験者にとって高いモチベーションを維持することができる

といった理由をあげています。

早稲田大学:公認会計士稲門会

早稲田大学では大学院でも公認会計士の卒業生を輩出しています。

大学と大学院は合わせた合格者総数は、慶應義塾大学の合格者数に匹敵します。

 

「公認会計士稲門会」では、金銭的利害を超えて、卒業生としての連帯感と母校への恩返しを掲げる会です。

特徴として、大学の先生との交流の深さを挙げています。

公認会計士試験全体の合格率と免除の仕組み

ここで、公認会計士試験全体の合格率、試験科目免除についてもみておきましょう。

試験の合格率は

ここ数年間、公認会計士試験の合格率は10%前後となっています。

 

公認会計士試験における論文式試験は合格点を52.0%以上の得点比率(偏差値による)としています。

さらに、試験科目のうち全ての科目の得点比率が 40%以上でなければなりません。

 

最新の情報は必ず公式のサイトをチェックするようにしましょう。

 

合格者は得点上位者からとも定められているため、最低得点比率を達成すれば合格できるとは限らないので、注意が必要です。

試験科目の一部免除がある

論文式では、試験科目について55.9%以上の得点比率(偏差値による)を達成することで、科目毎に免除資格を得られます。

この場合の免除とは、合格発表の日から起算して2年以内までの論文式試験において、その科目を再度受験しなくてもよいことを意味します。

 

論文式試験に万一不合格になったとしても、一部の科目で免除要件を満たしておくことは重要なポイントです。

次は試験が必要な残りの科目に集中すればよいので、次回の試験の合格率を高めることが可能になるでしょう。

公認会計士 大学在学者以外の合格率は?

前述したように、「令和5年公認会計士試験合格者調」では、願書提出者数および合格者数を5歳刻みで知ることができます。

 

年齢分布を見ると、合格者の約65%が25歳未満で占められ、30才未満までの総数では約88%、実に9割と偏った結果です。

別の傾向もあります。

それは「20歳以上25歳未満」において願書を提出した総数に占める比率は10.1%ですが、合格者総数に占める比率は49.3%へと大幅に増加していることです。

他の年齢分布ではここまで大幅な増加はありません。

 

この要因を具体的に知ることは難しいのですが、一般的に考えられている違いとしては、やはり社会人で勉強時間を確保することの不利、難しさがあるでしょう。

 

社会人としての経験や実績は、糧にはなります。

ただ、比較して言えば、大学などで集中して学べるというのは、若い世代のかなり有利な点であり大きなメリットです。

カリキュラムが充実している、公認会計士のOB.OGが多い大学を選ぶことは、ひとつの戦略と言えます。

 

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まとめ

公認会計士試験は、目標やスケジュールをしっかり立てなければ合格できません。

集中して、計画的に勉強することが大切です。

 

ただし、大学生や専門学校などのコミュニティーが受験生に与える影響も無視できません。

公認会計士は会計のスペシャリストです。

難易度が高い試験であり国家3大資格と言われています。

 

比較的時間に余裕がある学生であってもかなり集中しなければ合格することが難しいでしょう。 

しかし、合格後は自分の能力も証明でき、キャリアプランがぐっと幅広くなる可能性は高いです。

グローバルな活躍を見据えるといった、希望に満ちた将来図が描けるかもしれません。

学生生活の一部もしくは大部分を受験勉強に充てることは苦しい選択になると思われますが、その価値は生涯にわたるものです。

 

自分に合った大学が一番ですが、公認会計士をどれだけ輩出しているかも、ひとつの大切な指針となるでしょう。

Profile レックスアドバイザーズ

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